最近暑いですねー。
まだGWだっていうのに『夏日』ですって、ねぇ。
もーほんと、しんどいです、わたくしデブなのに病弱。
藤沢です。
さて、今回は今や建築には必需品、『ネジ』の話です。
最近は釘よりもネジが多用されます。
保持力も高く、電動のドライバーがあれば作業的にはラク。時間もそんなにかからない。固定しても再度はずして、また固定OK。安い。様々な材料に適した種類が、手軽に手に入る。トンカチで指をタタクこともない…などなど、もはや木造でも建築はネジ、ビス、ボルトありきなのです。
そこで、今回は簡単にネジ、ビスの説明です。
◆まずは、ソモソモ話…。
そもそも、ネジのようにヨコに回転させるとタテに入り込んで、進んでいくという構造は、加工だけみると、なかなか釘よりも手がこんではいますが、かなり大昔からあるものだそうです。
東アジアではあまり活用されなかったんですけどね。
って、ワタクシ専門の考古学者でもネジ屋さんでも、何でもないので、知ったかぶりが透けて見えましたらゴメンナサイです。
一説には海岸に落ちている巻貝、これが外側の殻がなくなって軸だけになったものから発想したとか、しないとか…。
ネジ類は、二つの目的(詳しく言えば他にもありますが)で使われてますよね。
1)締めつけて物と物をつなげる、『締結』
2)重たいものを何とか動かそうとする『移動』
ひとつめが、いわゆるネジ・ビス・ボルト、ふたつめが、マンリキや、圧搾機、昔の印刷機など圧力系ですね。
これら(のうちの印刷機以外)は、すでに紀元前から今のように使われていて、アルキメデスなどが(発明?)利用したり、築城・攻城時の重たいものを持ち上げる機械やオリーブオイル絞りなどに使われていたという事です。
ギリシャのアンティキティラ島付近で発見された謎の機械(計算機?)、いわゆるオーパーツもネジが使われていたとか。
これは暦を作る為に天体の移動を計算するものみたいで、近年かなり調査が進んでいるようですが…、門外漢にはトンとわかりません。
ま、古代にもからくり儀右衛門さん(田中久重;東芝の創始者、まんが『キテレツ大百科』の奇天烈斎さんのモデル)のような天才がいたんですね。
だから、まーともかくも、2200年ぐらい前まではさかのぼれるっぽいそうです…。はい。
その後、日本に本格的に来たのは戦国時代 鉄砲の伝来とともに入ってきました。銃身のお尻の部分のネジに、種子島の鍛冶屋さんが頭をひねったとか…。
で、いまやネジ全盛期。人類史上こんなに多種多様なネジができたことはないわけで、いざ使うにもドレを使っていいやらサッパリわからないですよね。
ですので、今回は私の勉強も兼ねてのお話しです。
◆で、まず、ナニを何に固定したいのか?です。
例えば壁ですと、それが石膏ボードなら以前書きましたボードアンカーをまずして下さい。
コンパネや木材ならダイタイ厚さが1センチくらいです。これらに取り付けるものの厚さを足して下さい。
それぐらいの長さのネジ・ビスが基準で、ネジ先が奥に出てしまうとダメか、どうかが問題です。この場合は、1センチの板ですから、できれば少し出た方が良いですかね。
※この時、気にしてほしいのが付けるものの重さです。重いものなら板の向こうに柱や間柱(まばしら;柱の半分~1/3の太さの柱)があるところに長めのものをネジこんで下さい。だいたい、30センチごととか、45センチごとに入ってます。
柱が後ろにあるところでしたら、柱の奥行きが10センチくらいあれば、さっきの更に5~6センチくらいは長くたって大丈夫です。ただ、ネジ込むのが少し大変ですけどね・・・。
で、話を戻して、壁裏の柱の位置探しはですね、
軽く壁を叩いて音で判断するというのが基本ですけど、ちょっと難しいです。
あらかじめ、目立たないところに『キリ』を差し込んで確かめておくとベストですね。
石膏ボードでしたら『千枚通し』などで後ろ側の木を確認して下さい。
また、軽量鉄骨の柱だと巾4.5~6センチくらいですからそこに向かってネジを打って下さい。厚さ的には約1ミリぐらいと薄いですが、なにぶん金属ですので軽天ビスのようなものをお使い下さい。
あと、電線や水道管などがないことも確認して下さい。スイッチやコンセントの上下はやばいかも(笑)です。
◆とりあえず、木と木をつなぐネジの種類
まず
①コーススレッド!です。
なんじゃらほい?ですな。
ヨコ文字苦手じゃわ―ってかたには申し訳ございません。
これはコース(coarse 粗野な 荒い )+ スレッド(thread 細いもの ネジの山) だそうです・・・。
その名の通りネジ山のピッチが大きくとってあるので、ネジりいれる回転数が少なくて、深く入ります。
その上、鋼鉄製で山が高いので保持力が大きくなっています。ですので、大まかな部材の固定に非常に適しています。
主に木材用です。
釘・従来の軟鉄製の木ネジの代用として多用されています。
長さはいろいろ。使う場所にもよりますが、厚い部材に使う時は、使用する木材の合計厚さに若干短いものを使って下さい。ネジ込み過ぎたときにネジ先が突き出てしまいイタイことになることが大工さんでさえ、たまにあります…。(正直こまったもんです…。)
メーカーも幾つかあります。国内製は若干高いですが信頼が高めです。
ただ、ほとんどのお店で、バラで買えません。1箱で長さにもよりますが数百から千本くらいになります。使いきるのは一般的には難しいですよね。
その場合はそう高いものでもないので、(500~1000円前後)諦めて下さい…。
さて、ここで、『半ネジ』と『全ネジ』があります。ネジ山が全体の5~6割弱なものが『半ネジ』。全てにネジ山があるのが『全ネジ』です。
『半ネジ』と『全ネジ』ですと半ネジの方が多用されるようです。
といいますのも、ネジ先の側にネジ山がありますので、『ネジ先側の材』をしっかりつかまえて、『ネジ山のないネジ頭の側の木材(長!)』を『ネジ頭部分』とで、しっかりサンドイッチ状態でハサみ込んで、マンリキのように締めあげます。
だから高い固定力を持ちます。
コレ好きです。3食これで・・・と思うくらい好きです。でもいろんな数値がねー。
しかし、全ネジですとネジ先の部材も、ネジ頭側の部材も同じ力でクイコミますから、あまり締め込むことにはなりません。ゆるゆるです。なにかちょっとしたものを木材に固定するには適していますが、柱や梁などに木材をきつく緊結するには半ネジの方が良いという事ですね。
また全ネジは深く材にもぐりこんでしまう事もあったりしますので、ちょっと面倒です。
■あと『フレキ』付きというタイプがあります。
これは、ネジ頭が広がっているところが一般的なコーススレッドはラッパの口のようになって、『ラッパ型』という状態になっています。これがあまり湾曲してない形の上にタテに4本ほどの山がつけられています。
これが回転して捻じ込む時に材表面を巻き込んで深くハイり込んでくれるわけですね。ネジ頭が出て欲しくない場合これを使います。
(でも、石膏ボードのように比較的軟らかいものの場合ですとなくても入り込みますし、あまり入り込み過ぎると薄いものだと保持力が無くなって意味がありません。ちなみに石膏ボードにはボードビス・軽天ビスというものがあるんですけどネ…。)
②細ビス(スリムビス) ①より細いコーススレッドです。
細い材・薄い材を割れないように固定したい時に使用したりします。
①より目立ちにくいが保持力がソコソコあると言う事で、例えば内装に影響少なく、床の鳴りを止めたいとかなんとかいう時などに便利です。
とはいっても目立つところに打つとやっぱり目立ちますけど…。
ビス頭がどうしても気になる、(イイ意味で、)仕事にこだわるタイプの大工さんは、よくつかわれてましたよね。
③万能ビス (ナゲシビス)
たいがいの物に対応できまっせ、というたのもしいビス。あまり専門の大工さんはコーススレッドほど使ってないように思われますけど。
これは、ネジ山が2種類あるんです。
『?』って思いますでしょ?
つまり高さの違う山が等間隔に2本、螺旋状に付いてるわけです。
(わかりにくいですけど、写真見て頂くと何となーく違う山が2種類あるんですよねー。ほんまビミョウです。)
だから、ネジから同じ距離にある部分ばかりに力がかからない ⇒ つまりは強いというわけだそうです。
目的がイロイロなら、これを買っとくと便利かもです。
■金属用ビス
④タッピングビス
タップダンスのタップ(tap)です(笑)。
ただ、軽くたたくと言うのではなく、ワイン樽などに穴をあけて口を開くことなのだそうです。そこからネジの穴をあけるという意味でつかわれているとのこと。
(上の写真のネジ頭がちょっと違いますけど、ネジ頭の形はいろいろありますのでその場に応じて使い分けてください。)
このタッピングビスは、『前もって下穴がある金属製の材』を繋ぐビスと考えて下さい。
例えば、下の写真のようなカーポートの屋根を『押え金物』で押える時に使うなどという場合、これを使います。
⑤ドリリングタッピングビス
この④のタッピングビス先にドリル状のハネが付いたものがあります。
ドリリングタッピングビスなどといいます。
長いので商品名『テクス』とか、ちょっと違うのでしょうけど、『ダンパ付き』などとかいいますね。(ドリル付きでいいと思うんですけど…)
これは、金属に穴をある程度開けられます。なにせドリルですから。でも、一度つかうとドリルの刃は痛みますので外したら、2度づかいは難しい一発ビスです。
また、下穴はいらないわけじゃありません。必ず少し小さめで作っておきましょう。なにせ、一発です。そう安いと言っても無駄にはできません。
ここまでで気付いておられますでしょう?(またこのパターン)これらのビスは、特にこれは、手回しはしんどいです。
電動ドライバー(インパクトドライバー)を使用するとあっという間に締めつけられます。安くてイイものがホームセンターに並ぶ時代です(¥4000ぐらい~)。1つ買っておくと便利ですよー。
■さて最後に、他にもボードビス、軽天ビス、軒天ビス、コンクリートビス、木ネジ、各種ボルトといろいろありますが、正直硬い話でつかれましたので、今日はこの辺で…。
あ、あともしかしたら、近くに大工さんとかがよく行く、金物屋さんがもしあれば、小分けで1本8円くらいからビスを打って下さるかもしれません。割高かもしれませんが、いろんなことを教えてくれますから、逆に割安ですよ。
でも、ここで書いてあることは違うぞというお叱りがあるかもしれません、そこはワタクシ専門の大工さんでもネジ屋さんでも、何でもないので、知ったかぶりなんです。ゴメンナサイです。はい。
ちなみにこれ、ネット上で拾いました写真です。解りやすい素晴らしいもの()ですので参考まで
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