ほんと暑くなりましたねー。そろそろ梅雨の時期。
岡山市北部ではホタルが飛び始めておるやに聞いたもので、先日、竜之口山のふもとに探しに行きましたがいませんでした…。まだなんですかね?
しかしまあ、ホタルってキレイですよねぇ。しかも、儚(はかな)い・・・私はパンツはかない・・・しょうもないですな。
でも、ホタルも体を光らせるだなんて、ちょっと考えれば危険な行為ですよね。ほかの夜行性の生き物からすれば、晩ご飯が『ココですよ』と教えてくれてるようなもんなのですから…。
その危険をあえて冒してでも、相手を探してるんですよね。けなげです。
そういう私は、いつも尻に火がついているデブの藤沢です。
さて、そういうわけで(?)今回は明かりの話、照明器具の話です。
今回は少しつっこんで長くなりますので前篇と後編に分けます。よろしくお付き合いください。
◆そもそも明かりとは・・・。
太古ヒトは、『火』得たことで様々な事ができるようになりました。神様のかまどから英雄が火を盗ってきたという話は世界各地にありますよね。
ギリシャ神話ではプロメテウスというおっさんがゼウスから盗んできたとか…
北米先住民のハイダ族は、カラスの化身が、神から火を盗んできたとか…
この単なる『火』の使用目的が、文明の発達とともに分かれて行きました。例えば他の生き物やヒトからの防衛のためや、暖房のため、調理のため、というふうにです。で、なかでも、もっとも文化的な目的が明かり・照明なわけですね。
(調理や暖房も大事な文化なんですけどね、ま、とりあえずここはそういうことにしといてください…。)
『相手の顔かたちさえ見えればいい』から、『相手からの手紙の文字が読みたい』『正確な顔色が見たい』などという極めて人間的な欲求が光源の素材を進化させました。
明るさ(光の量)はヒトの心を大きく作用させるらしく、それを使った心理トリックはよく小説やマジック、建築などの芸術文化方面で利用されますよね。
で、この効果を実際の事業などに利用した話はいくつもあるようです。
例えば、山本一力さんの小説『ジョン・マン』に次のようなエピソードがありました。
19世紀半ばのアメリカのある捕鯨船が、船員の部屋のロウソク(鯨油製)を通常の3倍にしたところ、数年にわたる航海で得たクジラの油(鯨油;アメリカで石油が発見されるまで世界の工業用機械油、燃料として使用されていました)は、一般の船が捕る10倍近くになった…といいます。
船員さんが落ち込んだり、仲間割れしたりすることが減ったからだということだそうです。
それくらい明かりは重要なんですねー。
まぁ、10倍ってのはどうなんでしょう?当時大西洋のクジラはほぼ絶滅状態で、この船が大きくて西太平洋や南氷洋あたりまで遠出できたからだとも書いてありますが、それも船員の気持ちが離れていてはできないわけですし、明かりの効果はあったようですよね。(これは小説の話ですから、何か実際のネタ元はあったのでしょうけど、ありそうな話です。)
もしワタシって性格暗いかも?とか、わが家ってケンカがたえないなぁ…などと悩んでおられたら、まず部屋を明るく照らしてみてはどうでしょうか?海に行けば10倍クジラが捕れることうけあいです(笑)。
ちなみに山本一力さんの小説『ジョン・マン』はジョン万次郎こと中濱万次郎さんの一大活劇で、かなり面白い作品です(某局の大河ドラマにしてほしいくらいです)。
すでに読まれてましたかね?ネタばれしてましたらごめんなさい。まだの方は、どうぞ読んでみて下さい。
ちょっと盛ってるんじゃない?って話もありますけど面白いんです。惹きこまれますよー。
◆さて、まずは電球のはなし
エジソンさんが19世紀に商品化した白熱電球から、明かりはより安全に明るくなりました。
種類も豊富ですよね。数限りなくありますので、とりあえずおおまかにザックリといきましょう。
ちなみに、現代の電球は、タングステンなどでできた『フィラメント』というものに電気を通して発光させます。それを踏まえてお読みください。
①白熱電球 形;一般電球(なすび型)やボール球(?瀬戸大橋ブリッジのような変な名ですな。一般電球より明るく照らせます。)があります。
これは、よく御存じのように、黄色みのあるやさしい色合いの光をだします。電球自体も安くなりすぎて、残念ながら国内生産は諸事情から無くなったとか聞きます。味がある光なので寂しい気がしますね。
あと、フィラメントに発生した熱がかなり逃げるので、光のエネルギーに変ってくれにくいという代物です。
つまり必要な電気量の割に明るくない、エネルギー効率が悪いモノといわざるをえない上に、電球の寿命も短いですよね。個人的には一番好きなんですけど。
②クリプトン球;あのクリプトン星とはなんの関係もないそうです。ちなみにどこにある星かというと…関係ないので話を戻します。
通常の白熱電球は『アルゴンガス』が中に入っているんですけど、こちらは『クリプトンガス』が入っているんです。・・・よく分からないですよね。
電球のフィラメントを直に外に出して電気を流すと、明るくなると同時にすぐ燃え尽きてしまいます。これは空気中の酸素がそうさせるわけです。
そこでエジソンさんが『空気ぬいちゃえば、いんじゃね?』ってわけで真空の電球をつくると大成功。けっこう寿命が長かった。
それでも真空って気圧低いからけっこう中に空気が入ったりして、不良品も出るしコストもかかるわ、ってわけなのかどうかは不確かですが、たぶんそんなもんでしょう。
「じゃあフィラメントを燃やさない安定した気体をつめりゃえかろうが。そんなん無いもんかいのぉ?」「あんごぉ(あほ)か、おめえは?なら、希ガス(電子の数が欠けてない安定した元素)がええじゃろぉが。」と『アルゴンガス』が封入されるようになりました…。
すると寿命は長くなったわけですけど、もっと明るいのが欲しいなぁとなりますと、フィラメントをもっと高温に保ちたいなとなるわけです。高温になるほど明るく光ります。星とかと同じですね。『じゃあ、アルゴンガスより熱を逃がさん安定したガスはねえんかなって…あったわ…クリプトンガスじゃわ!』となったわけだそうな感じです。
結局これも白熱球の進化バージョン、仲間ですね。
③ハロゲン球;ふつう発光させると電球内がめちゃくちゃ熱くなります。するとフィラメントに使われているタングステンが少しずつ劣化していって電球の寿命がきます。
なので、ハロゲン球はハロゲンガスというものがアルゴンガスにちょこっと混ぜてあるので、熱くなった時にハロゲンとタングステンがくっつきます。さらにあれやこれやでタングステンはフィラメントに戻ってきてリサイクルしてくれるという…うそみたいな素晴らしいことが電球内で起こります。
なので、明るい上に寿命も長い、ただかなり高温にしないとこの現象が起こらないので、めっちゃめちゃ熱い。触ると危険です。まるで私みたいです・・・ちがうか。
ショーウィンドウや車のライトとか、工事用照明などに使われます。
④レフ球;これも白熱球の仲間ですが、電球の形式からの名前です。ガラスの球に鏡のように金属がハッ着いたようなものがある電球がそれです。
そういう加工がしてある電球をさす言葉と思って下さい。
基本的にはクリプトン球のようなもので、光を反射させて向けたい方向を明るくさせるための反射材付き電球です。スポットライトのようなものに使います。
⑤ナツメ球;お茶の間の照明や勉強机の照明の横についてるちっちゃいオレンジ色とかに光る電球、それがナツメ球です。
小さいながらも長い寿命。基本的に普通の電球です。
⑥シャンデリア球;形が長細くって尖った炎のような形の電球、それがシャンデリア球です。
いろいろなデザインで、白いガラスのものと透明のものがあります。貴女のお好みでどうぞ。
◆蛍光灯
①電球型蛍光灯; 形;一般電球型やボール球型
電球と同じソケットが使えるもので、従来の照明器具がそのまま使え、買い替えが簡単なタイプです。
形は電球よりすこし長細かったり、ボール球状だったり、ソフトクリームみたいにひねってあるものなどがあります。
色合いも電球に近いものなどさまざま。電球に比べ高価ですが、5倍以上の寿命、消費電力は3分の1。
非常に優秀です。まるで私みたいです・・・やっぱりちがうか。
②コンパクト型蛍光灯;基本的に性能は①と同じです。細い管がタバになったものや管をぐにゃっと曲げた外観になって、その名の通りコンパクト。それを蛍光灯用の専用ソケットに付けるタイプのものです。
直管型蛍光灯より小さい場所に使用できる便利さがあります。
◆LED;やっと出ました真打ち登場です。まるで私のようです・・・って書いててかなしくなってきましたな。うん、もうこれやめます。
省電力、長寿命。いつの間にか町の街灯(防犯灯)や信号機、赤ちょうちんにフグ提灯までLEDです。
またの名を発光ダイオード。
昔は緑と赤しかなくって、ビデオデッキやCDプレイヤーの電源ランプはそんな色でしたよね。残りの光の3原色、青色のLEDが登場してからアっという間に世の中に照明として普及しましたね。すごいっすよね。ほんとノーベル賞もんですね。
ちなみに、これはCO2の発生が一応少ないという事になっています。というのもいろいろな考え方があるので判断が難しんですけどね。
ともかく環境に優しい。まだ、新顔の分野なので、製品にアラが多少はあっても、白熱球の20倍から30倍はもつということなので、超経済的というんですよね。これからの主流ですね。
まだまだ電球に比べると高いですけど、やっぱり振動でフィラメントが切れることもなく、寿命の長いことと交換作業の手間代を考えると確実に安いですよね。
◆電球の交換
①口金(くちがね;ソケットに入るところのネジのことです。)があうものを町に行って買ってきましょう!
一般的には直径2 6mmのE26口金というものが多いです。
普通の白熱電球とかになります。
コレより細いミニクリプトン球などのE17口金。直径17mmってことですね。
他にもナツメ球はE12。豆電球はE10。海外のものになるとE14などいろいろです。
②電球の色は何にします?電球型蛍光灯やLEDなら選べます。
光の色は演色性といってみるものの色合い、雰囲気、印象を大きく左右します。
色によって、相手の健康や性格、好悪の感情などの判断が変わりますし、食事の味、時間の感覚も変るとされます。
ともかく基本は下の3種類。メーカーによって名前が違いますので( )に書き入れておきます。
電球型以外も基本一緒です。
1)温かい色合いの『電球色(ウォーム色、リラックス色)』。
そうでなくても食事がおいしそうに、病気がちでも、冷たい人でも血色のいい暖かい人にたぶん見えます。
軟らかい影が演出しやすいので、間接照明では、立体感を感じやすくなります。リビングやゲストルーム、ダイニングに向きます。
2)里山的な(?)自然な明るさ、無難で(?)安心、ちょっと退屈なぐらいがちょうどいい、『昼白色(マイルド、ナチュラル色)』。
多用途なユーティリティな空間に使います。たぶん私はこれが好き・・・って感じのものです。
3)さわやかな『昼光色(フレッシュ色、クール色)』。
かなり晴れた日の空のようなクールな清潔感のある光が得られます。
現代的な(近未来的な)空間などの演出にはもってこいです。映画でいえば(?)マトリックスとかバイオハザード的な・・・、ま、いいです。
ともかく、仕事の空間、勉強部屋などに使用します。
なお、1)から3)にいく順に白っぽい色になります。
ちなみに色合いを厳密にしないといけない医療などの一部の職場では、国際基準にのっとった『標準白色光』という決められた色の光を用います。
というのも人によって目の状態や神経の数や脳の感じ方が違っているために同じ色を伝えあうというのが難しいからだそうです。奥が深いですよね。
とりあえず、今回はこの辺で・・・。次回、照明器具やらなんやらの話です。では。
追伸;最近、うかがう機会があったので、ちょっと書かせて頂きます。
京都 嵐山の渡月橋のそばに法輪寺という有名なお寺があります。京都の子女が数え13歳になると参る『十三参り』のお寺です。
この帰り道『橋』で声を掛けられても振り返ってはいけないともいうあれです。(橋は『渡月橋』とも『寺領・境内』の中の橋とも言います)
そちらには神様として『電電社』といわれるお社があります。雷・電気の神様で由緒はかなり古いそうです。電気の神様っていうのは近代以降なのでしょうけど・・・。
そこにはエジソンさんとヘルツさんも祭られてます。
どうなんでしょう?ちょっと不思議な感じがしますが、偉人が生前死後関係なくまつられるのが、この国ですから、すこし笑顔にさせられてしまいますね(笑)。
電気事故のないようお祈りしてきました・・・。
ではでは。
前の記事« 連休の過ごし方
次の記事明かりの話 後篇 »